お茶の知識 2024/06/21

台湾烏龍茶って何?どんな特徴?どんな品種?百年の歴史を持つ銘茶?

烏龍茶(ウーロン茶)は2世紀前に大陸から海を渡って台湾に伝えられました。台湾に根を下ろし、世界の茶文化の中にその名を轟かせています。1862年の創業以来、台湾ウーロン茶の美を伝える王徳傳は、製茶ひとすじの技と150年の歴史で、茶の香立ち込めるフォルモサにいざないます。
 

 

第一章 風土 万物は流転する

風土とは土壌、水質、地形、雨量といった、茶樹の成長をめぐる環境的な諸要素で、流転する万物の営みです。たった36千平方キロメートルの台湾では、熱帯と亜熱帯が交わる茶の生育に最も適した北回帰線上、高い山々に囲まれたなだらかな丘に茶園が点在し、豊かな風土が茶葉に素晴らしい滋養を恵みます。王徳傳は自然と大地を慈しみ、台湾の風土に育まれた茶の香りと味わいを、その風景とともにお届けします。

 

台灣産地厳選高山茶

海抜千メートルを超える高地はひんやりしっとりとし、昼夜に激しい温度差があります。茶葉は厳しい気候にじっと耐え、想い出を甘みと味わいに花開かせます。丁寧に摘み取った茶葉から、製茶の技と絶妙な焙煎で、季節を越えたうまみをひきだし、山々が持つ「気」表現します。
 

 

第二章 品種 持ち前の香りと味わい

福建の武夷山から伝えられた各種のウーロン茶は、台湾の風土と茶に携わる職人の汗と愛情の中で、さまざまな香りと豊かな味わいを生み出してきました。王徳傳はそれぞれの茶のささやきに耳を傾け、経験豊富な製茶と焙煎の職人の手で、各品種持ち前の香りと美味を花開かせています。

 

 

台湾特有品種ウーロン茶

  • 四季(しき)ウーロン茶(四季春)

一年のどの季節でも収穫できる強い生命力から名付けられ、はつらつとした花の香りと、こくのある味わいが楽しめます。

 

  • 金萱(きんせん)ウーロン茶(台茶12号)

台湾茶業改良場で、「台湾茶の父」、呉振鐸氏が自ら育成した品種です。優雅な花と柔らかいミルクの香りで、30年以上もたくさんの人を夢中にしています。

 

  • 青心ウーロン種

最も古くに伝わったものの一つで、台湾の風土でランや桂花のような独特の香りが育まれ、茶人に愛されています。高山ウーロン、凍頂ウーロン、文山包種などすべて花の濃厚な香りが楽しめます。

 

第三章 技の逸品 百年の伝承

半発酵(15~65%)のウーロン茶のうまみは、品種と風土、そして手間ひまかかる製茶の技のうち、発酵と焙煎の絶妙なバランスが決め手となります。気温、湿度、風速、日照のいずれも大事で、製茶師は無数の細かな手順において臨機応変に技を使い分け、香りとうまみが存分に際立つ絶好の発酵度を見極めます。焙煎師は水分と雑味を除くよう火を加減しながら、なめらかでこくのある純粋な口当たりを引き出します。風土も茶樹の品種も豊かな台湾は、素晴らしい製茶の舞台となっています。王徳傳はこだわりの技で切れのある台湾ウーロン茶の味わいを表現します。

 

 

台湾特有ウーロン茶

  • 文山(ぶんざん)ホウシュ茶

かつて文山と呼ばれた坪林で栽培された茶葉を、1518%の軽発酵、弱火焙煎で仕上げました。ランのようにすがすがしい香りです。

 

  • 凍頂(とうちょう)ウーロン茶

南投鹿谷で栽培された茶葉を、3035%の中発酵、中火焙煎で仕上げました。やさしくふくよかな味わいを花と果実の香りが彩ります。

 

  • テッカンノン茶

引き締まった黒い茶葉は4045%の重発酵、強火焙煎と手間のかかる茶揉みの技から生まれました。熟した果実の香りと後をひく味わいです。


  • ビャクゴウウーロン茶(東方美人)

台湾が生んだユニークなお茶は、ウンカがかじった若芽を高発酵(6065%)させて作られました。きめ細やかな蜜の香りです。

 

第四章 徳傳貯蔵茶 刻まれる時の流れ- 德傳名作茶

風土と品種、技の結晶である茶の風味は、貯蔵を通じて熟成されます。

茶には時の流れが秘められ、台湾の伝統的なウーロン茶は発酵や焙煎から生まれた豊かな香りと味わいが貯蔵に適しています。時の試練に耐えられる茶を選び、時に委ねて積み重ねられたふくよかな香りと柔らかな味わい、滑らかな口当たり、後を引くのどごしこれこそ時が刻んだ極上のしるしです。

 

德傳名作─安尚(あんしょう) ウーロン茶

王徳傳は昔ながらの台湾ウーロン茶が持つ「澄甘涼喉(澄んだ甘さ・のどごしすっきり)」を引き出し、創業者の名にちなみ「安尚ウーロン」と名付けました。自然農法で、大自然本来の環境で育った茶樹から、甘い若芽と香り立つ柔らかな茎を摘み取り風味をそのまま生かしています。緑の葉のフチがやや赤くなるほどに発酵を加え、さらにとろ火で昼夜焙煎、本物の茶が持つうまみを際立たせています。やわらかな半球状で、さらに熟成させてもより円熟さを増します。

 

德傳名作─手作り炭焙煎

焙煎職人がリュウガンの樹の炭を使って36時間つきっきりで焙煎します。100年の炭火焙煎の技とこだわりで、炭火を一気に茶の芯に届けます。焙煎の強さ弱さは、それぞれの茶の性質に合わせて調節し、純粋な香りとまろやかな潤いに姿を変えます。