お茶の知識 2024/11/19

「茶柱」は、優れた茶の証

お客様より、よくこんな質問をいただきます。

「どうしてお茶に茶柱が残っているのか?
一芯二葉(いっしんによう)は若葉ではないのか?」

※一芯二葉(いっしんによう)とは
茶の芯とその下の2枚の葉のこと。新芽の中でも特に柔らかく栄養が詰まっている部分。

実は、極上の茶を作る秘訣のひとつに「適度に成熟した葉を摘む」ことがあります。

成熟した葉は、茶本来の芳醇な香りと豊富な成分を含んでいます。
特に烏龍茶(ウーロン茶)の製造において葉のうまみを存分に引き出すためには、若すぎる葉ではなく、適度に成熟した葉が最適なのです。

若い茶は太陽の光を浴びていないため、乾燥が不十分です。
乾燥が足りないと、茶葉の持つ苦味成分が残り、透き通るような香りや発酵が促されません。

その結果、ウーロン茶独特の香りが薄れ、青臭さが残ってしまう恐れがあります。

 

 

さらに、茶柱には茶の香りを引き出す重要な役割を担っています。
若い茶柱を部分的に残すことで、茶の風味がより調和し、豊かな味わいを生み出します。

  • 「一芯」:茶の「回甘」(後を引く味わい)のもと

  • 「第一葉」:茶の「甘み」を引き出す

  • 「第二葉と茶柱」:茶の「香り」を生む

茶柱や成熟した葉が加わることで、茶本来の豊かでふくよかなおいしさを引き出します。

王德傳の伝統ある製茶技術によって、発酵を十分に施した茶は、複雑で深みのある味わいに仕上がり、香りと甘みの余韻が心地よく広がる特別な茶が完成します。